歳を重ねるのは悪いことばかりじゃない。『雨が降ったら』を読んで感じたこと(61)

小説「雨が降ったら」著書:寺地はるなを読んだ感想 【ぴーすのつぶやき】

こんにちは、ぴーすです😊

西日本は梅雨が明け、日差しがどんどん強くなってきました🥵

今日は、いつものアイラップや防災、ヨガのお話ではなく、最近読んでとても心に残った一冊をご紹介したいと思います。

その本は、寺地はるなさんの『雨が降ったら』です。


この本を読もうと思ったきっかけ

私は普段、自己啓発本を読むことが多く、小説を手に取る機会はほとんどありません。

この本は、車でよく聴いている関西のラジオ番組、FM802の「SUPERFINE SUNDAY」で、
DJの浅井博之さんが紹介されていて知りました😌📻

この本の主人公の女性たちは、皆、40代後半の女性だったこと、そして作者の寺地はるなさんも1977年生まれで、私と同年代だったことから「なんだか気になるなぁ」と思ったのがはじまりでした。

40代後半という年齢だからこそ感じる悩みや価値観が描かれているのではないかと思い、早速、読んでみることにしました😊


登場する5人の女性

『雨が降ったら』は、40代女性5人を主人公にした連作短編集です。

離婚して一人暮らしを始めた女性、独身生活を楽しむ女性、夢だったマイホームを手に入れた女性、子育てに奮闘する母親、そして最愛の母を亡くした女性。それぞれが異なる悩みや葛藤を抱えながら日々を過ごしています。

物語の中では、5人が「わかば洋傘店」の店主や息子との関わりを通して、自分らしい幸せや人生との向き合い方に少しずつ気づき、前を向いて歩き始めます。

派手な出来事が起こる物語ではありませんが、40代という年代だからこそ共感できる悩みや心の動きが丁寧に描かれていて、「自分らしく生きるって何だろう」と考えさせられる一冊です。

ここでは、登場する5人の女性をご紹介します。

初佳(はつか)

48歳。夫の浮気が原因で離婚し、子どもたちはすでに独立。18年ぶりの一人暮らしを始めます。

決して収入が多いわけではありませんが、自分が本当に好きなものだけに囲まれた古いアパートで、自由な毎日を過ごしています。

離婚するまでは、家族の栄養バランスを考え、食事づくりにも気を配ってきた初佳。
そんな彼女が、一人暮らしになってからは、晩ご飯に大好きなマッシュポテトだけをお腹いっぱい食べる日もあります。

長年、家族を優先してきたからこそ、自分のためだけに食事を選ぶ時間を大切にする姿に親近感が湧く女性です✨

杏子(きょうこ)

40代の独身女性。

恋人と別れてからは、おひとりさまの暮らしを楽しみ、1人でテーマパーク(USJ)へ出かけたり、おいしいものを食べ歩いたりと、自分の時間を満喫している自立した女性。

そんなある日、過去の恋人が突然連絡をしてきます。
しかし、以前のように相手のペースに流されることなく、自分が大切にしたい今の暮らしや心地よい距離感を選びます。

「一人だから寂しい」のではなく、「今の自分の暮らしが好き」と考え、過去の恋人にも振り回されない姿が印象的な女性です✨

みつほ

47歳の独身女性。

結婚して家庭を持つ妹から、どこか可哀そうといった憐れむような目で見られることにもやもやを抱えています。

それでも幼い頃からの夢だった「自分の家を持つ」という夢を叶えます。

自分名義の家で床に寝転び、転がっていったリモコンを、起き上がらずにごろごろ転がりながら取ろうとする姿は、思わず笑ってしまいます😂

世間の価値観に左右されず、自分が思い描いていた幸せを大切にする姿が印象的な女性です✨

苑美(そのみ)

中学2年生と小学6年生の子どもを育てる40代の母親。

育児や家事に追われ、自分の時間がほとんどありません。周りからは「今が一番幸せね」と言われながらも、「どうしてこんなにしんどいんだろう」と葛藤を抱えています。

そんな中、独身の友人の仕事を手伝った際に、高いコミュニケーション能力や調整力を発揮します。
そして、「主婦業や子育てを通して築き上げてきたことも立派なキャリアなんだよ」と言葉をかけられ、自分自身を少しずつ認められるようになっていきます。

毎日当たり前のようにこなしている家事や育児にも大きな価値があることを気づかせてくれる女性です✨

美禰子(みねこ)

40代の独身女性。

39歳で離婚し、その後は実家で母と二人暮らし。

母とは友達のように仲が良く、一緒に旅行へ出かけることもありました。一方で、持ち物や好みについては母の価値観を押し付けられることもあり、自分の好きなものを否定されるたびに、心のどこかでモヤモヤした気持ちを抱えていました。

そんな母を亡くしたあと、「もっと優しくしていればよかった」と自分を責め続けます。しかし、完璧な人間がいないように、完璧な親もいないことに気づき、良いところも少し面倒なところも含めて、「これがお母さんだったんだ」と受け入れていきます。

親子だからこその愛情や葛藤が丁寧に描かれていて、家族との関わりについて改めて考えさせられる女性です✨


私が一番心に残った言葉

5人の女性の中でも、私が一番心に残ったのは苑美(そのみ)のお話です。

苑美には優しい夫がいて、子どもたちも元気に育っています。周りから見れば「絵に描いたような幸せな家庭」です。

それなのに、「幸せでいいね」と言われるたびに、なぜか心の中は満たされません。

彼女を苦しめていたのは、「自分には誇れるものがない」という焦りでした。

家事や育児に追われる毎日を送り、世間からは「ただの主婦」「パートのおばちゃん」と思われているような気がして、自分が社会の中で透明な存在になってしまったような孤独を抱えていたのです😔

そんな苑美に、友人はこんな言葉をかけます。

「女性が結婚や出産で仕事を辞めたり休んだりすると、『ブランクがある』って言うよね。でも、ブランクって辞書で調べると『空白』って意味なんだって。職場で働いていない時間だって、家事や育児をして、悩んで、笑って、生きてきた時間でしょう。空白なわけがない。職場での労働以外の人生だって全部キャリアなんだよ。

私は、この言葉に思わずハッとしました。

私自身も結婚後は子育てを優先し、専業主婦だった時期があります。その後、看護師として復職しましたが、子育てをしていた時間を「仕事をしていなかった期間」と考えたことはあっても、「人生の大切なキャリア」だと考えたことはありませんでした。😢

でも、この言葉を読んで、家事や育児に向き合った時間も、今の自分をつくってくれたかけがえのない経験だったのだと気づかされました


さらに苑美は、「仕事も家庭も両方手に入れている人でないと認められない気がする」と、自分の本音を打ち明けます。

すると友人は、こう問いかけます。

「認められないって、誰に?」

この一言にも、とても考えさせられました。

私たちは、「世間がそう思っているから」と、いつの間にか正体の分からない誰かの評価を気にしてしまいがちです。でも、その”世間”とは、一体誰のことなのでしょうか。

誰かに認められることばかりを求めるのではなく、まずは自分自身が「ここまで頑張ってきた」と認めてあげることが大切なのだと強く思いました。

このやり取りは、この本の中で最も心に残った場面でした。


「雨が降ったら傘をさせ」に込められた思い

作中に登場する「わかば洋傘店」の傘には、

「雨が降ったら傘をさせ」

という言葉が書かれています。

読み終えたあと、この言葉には大きく3つのメッセージが込められているように感じました。

① 起きたこと(現実)に淡々と対処すればいい

私たちは、相手の気持ちを深読みしすぎたり、まだ起きてもいない未来を心配したりしてしまうことがあります。

でも、本当に大切なのは、目の前で起きたことに一つずつ向き合うこと。

目の前の人が泣いていたらティッシュを渡す。

雨が降ってきたら傘を開く。

ただそれだけでいい。

必要以上に考えすぎなくてもいいんだと、この言葉は教えてくれているようでした。

② 辛いときは、自分を守るために「傘をさして」いい

人生には、自分の力ではどうにもならない出来事があります。

夫の浮気、親との別れ、育児の限界…。

そんなときまで、びしょ濡れになりながら耐え続ける必要はありません。

限界がきたら立ち止まる。

嫌な環境から距離を置く。

「やめる」「逃げる」という選択も、自分を守るための大切な傘なのだと思いました。

③ まだ降っていない雨を怖がらなくていい

晴れているのに、「明日雨が降ったらどうしよう」と心配してしまうことがあります。

でも、


晴れている日に重たい傘を開いて歩く必要はありません。

本当に雨が降ったそのときに、傘を開けばいい。

まだ見ぬ未来への不安で、今日という一日を曇らせなくてもいいんだと、この言葉はそっと背中を押してくれます。


歳を重ねるのは悪いことばかりじゃない

この本を読んで改めて感じたのは、幸せの形は人それぞれ違っていいということです🍀

5人の女性は、それぞれ違う人生を歩み、違う悩みを抱えながらも、自分らしい幸せを少しずつ見つけていきます。その姿がとても印象的でした😌

歳を重ねることは、どこかマイナスなイメージで語られることが少なくありません。

でも私は以前から、歳を重ねることは決して悪いことばかりではないと思っていました。この本は、そんな私の考えにそっと寄り添い、「それでいいんだよ」と背中を押してくれたような一冊です✨

若い頃より体力は落ちたかもしれませんが、その分、人と比べることが少なくなり、自分が本当に好きなものや心地よい暮らしが分かるようになりました😊

📌 年を重ねることは、失うことばかりではなく、自由が増えていくことでもある。

食べたいものを食べて、見たい景色を見て、やりたいことをやる。

そんな毎日を「幸せだな」と思えることが、歳を重ねる楽しさなのかもしれません😊

皆さんも、自分らしい幸せを見つけながら、毎日を楽しんでいきましょう🍀

最後まで読んでいただき、ありがとうございました✨

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40代、50代の女性はもちろん、今の自分の生き方や幸せについて少し立ち止まって考えてみたい方にもおすすめしたい一冊です。

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気になった方は、ぜひ読んでみてくださいね。